infectioncontrol
日高歯科クリニックの院内感染対策
院内感染対策について
当院では患者様に安心してご来院、また治療を受けていただくために徹底した感染対策を取り組んでいます。
その事例を紹介させていただきますので、ぜひご覧ください。
院内感染対策について
入り口
当院入り口にはペット用トイレやちり取りを利用し、 0.1%次亜塩素酸ナトリウムを浸したペーパータオルで靴底を消毒して入ってもらっています。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)はRNA ウイルスの一種でエンベロープという脂質からできた二重の膜を持つエンベロープウイルスであり、アルコール消毒剤が不活化効果を持つことが報告されてはいますが、アルコールや次亜塩素酸水ではエンベロープを破壊できないとされており、破壊できる次亜塩素酸ナトリウムが消毒薬としては第1選択となると思われます。
※0.1%次亜塩素酸ナトリウム溶液を消毒剤として使用:水1Lに対してキッチンハイター50ml(キャップ約2杯)
受付
受付にはアクリル板による防護壁を設置し、職員の出勤時・患者様の来院時には非接触体温計により体温測定を行い、職員体温表やカルテに毎回記録しています。
待合室
待合室は椅子を減らし、長椅子は並んで着座しないよう印をつけて対応し、不特定多数のかたの接触の恐れのある雑誌やパンフレット類は排除しました。また診療中は窓を開け、院内の通気に配慮しています。
滅菌対策
機器は患者様ごとに全てオートクレーブ (Autoclave:高圧蒸気滅菌器)で滅菌処理をし、耐熱性のないものなどオートクレーブに不向きな機器はガス滅菌器(EOG滅菌器: EOG sterilizer)で滅菌処理をしています。
診療台は患者様ごとに消毒薬で清拭しています。
院内掲示、問診票
医院入口には日本歯科医師会ホームページからダウンロードした患者様へのお願いポスターを掲示しております。
またCOVID-19に関する問診票として、ADHAの質問票を改変して使用しております。
防護服着脱について
※手術時の滅菌ガウンの着脱手順ではありません。
防護服着衣の流れ
- 【1】マスク・クローブの着用
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マスクのイヤーループを掴んでマスクを着用し、マスクのノーズワイヤーを合わせた後グローブを着用します
- 【2】キャップ、ガウンの着用
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キャップ、ガウンを着用し、グローブがガウンの外側になるようにします。
- 【3】拡大鏡、フェイスシールドの装着
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拡大鏡、自院で制作したフェイスシールドを装着し完了となります。
サージカルガウン、アイソレーションガウンが入手困難な場合は、1日使用し洗濯・乾燥後、10日ほど保管したガウンを再使用しています。
- ※他のスタッフについて
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歯科衛生士、歯科助手、技工士も同様に防護服の着用を行っています。
- ※エアロゾルが発生する場合
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エアロゾルが発生する治療の際は、レインコートの背中を前にして着用しています。その際はグローブをレインコートの外側になるように調整します。
レインコートは使用後0.1%次亜塩素酸ナトリウムに30分間浸け置きし、水洗い・乾燥後再度使用しています。
- ※顕微鏡を使用した治療の場合
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透明のビニールを金属ワイヤーで加工し作製したドレープを使用し、患者様ごとに交換しています。
防護服脱衣の流れ
- 【1】グローブの殺菌
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0.1%次亜塩素酸ナトリウムをグローブに吹きかけ、当院指定の手洗いと同じ手順で殺菌を行います。
- 【2】手洗い
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まずは0.1%次亜塩素酸ナトリウムを水で洗い流し、その後ヒビスクラブで再度手洗いを行います。
最後にヒビスクラブを水で洗い流します。
- 【3】フェイスシールドの取り外し
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フエィスシールドを取り外し、0.1%次亜塩素酸ナトリウムを吹きかけます。きれいなタオルで拭き取った後水拭き、乾拭きの順に行い外側を清潔なテーブルに向けて保管します。
- 【4】ガウンの脱衣
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再度0.1%次亜塩素酸ナトリウムで手洗い後ヒビスクラブで手洗いを行い、ガウンを脱衣します。
- 【5】拡大鏡・キャップの脱衣
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再度0.1%次亜塩素酸ナトリウムで手洗い後ヒビスクラブで手洗いを行い、拡大鏡・キャップを外します。
- 【6】グローブの脱衣
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グローブの手首に近い縁の外側をつかみ、グローブの内側が表になるように外します。
その後反対のグローブ内側に指を入れ、握っているグローブに覆い被せ内側が表になるように外します。
- 【7】マスクの取り外し
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再度ヒビスクラブで手洗いを行い、イヤーループを持ってマスクを外します。
- ※使用済みマスクについて
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使用済みマスクは将来供給が無くなったときのために各自保管しています。
査読の終わっていないプレプリントの報告でありますが、N95マスクの乾燥高温による再利用方法では50回繰り返してもフィルター機能は下がらなかったとする報告もあります。 マスクの再利用は避けるべきではありますが、最悪の事態となったときは保管したマスクをオートクレーブにて滅菌し使用するしかないと考えています。前述の報告ではスチーム・アルコール・家庭用漂白剤はフィルター機能を低下させたとも報告しているため、蒸気を生じさせるオートクレーブでは不安が残りますが、他に適当な機材を持たないため、致し方ないと考えて実行しています。
フェイスシールドの制作
- 【1】
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(使用する材料)A3サイズの硬質クリアカードケース、スポンジ、ガムテープ、ゴム紐、ハサミ、ホッチキス、両面テープ
- 【2】
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スポンジに両面テープを張り付け、カードケースに貼り付けます(最終的に額にあたる部分になります)
- 【3】
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カードケースを裏返し、表から裏側に折り込むようにゴム紐を回し、ホッチキスで止めます。
- 【4】
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実際に装着する人にフェイスシールドを当ててもらい、ゴム紐の長さを調整しハサミで切ります。
- 【5】
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長さが確定したら【3】と同様にゴム紐をホッチキスで止め、ガムテープで補強をします。
- 【6】
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完成品はこちらになります。
- ※拡大鏡への対応
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スポンジの厚みを調整することで拡大鏡への対応も可能です。